お歳暮,お年賀,山吹色のお菓子:袖の下豆知識

ご存じと思いますが、『山吹色のお菓子』は賄賂の意味をなす隠語…
つまりは『袖の下』でございます。

賄賂を指す言葉としては、『山吹色のお菓子』『黄金色のお菓子』『袖の下』の他にも 『鼻薬』ってのもあります。
鼻を鳴らして物をねだる子供をなだめる菓子の事ですが、それが転じて相手をなだめる貢ぎ物の意味で、賄賂を『鼻薬』とも言ったそうです。
花粉症や鼻炎を鎮めるために、鼻に突っ込むスプレーではありません。はいはい…

お歳暮,お年賀,山吹色のお菓子:袖の下豆知識・其の一

●袖の下っていったい何でしょう?

袖の下豆知識・其の一 袖の下は本来、お役人に対してそっと手渡す賄賂です。
人目をはばかって袖の下にそっと入れる現金ですね。

お取り引き先(企業)のお偉いさんや、決定権のある役職の方に、仕事上の便宜を図っていただく場合に使う金品も袖の下と言っても差し支えないと思います。
ただ、賄賂と言う言葉を使うとなると、相手は公務員に限られます。
江戸時代の袖の下は、安月給で働く公務員が商人の便宜を図る見返りとしてそれとなく要求するお金というのが一般的であった様です。

特に、『同心』と言われる役職の方々が、庶民のお目付役でありながら安月給で天下泰平のご時世に、特にやる仕事もなく、お金持ちの商人の便宜を図る見返りに袖の下を受け取っていたらしいです。

時代劇によくある、『代官』クラスの大物が袖の下を受け取って、利権がらみの便宜や、商人の不正に目をつぶると言ったよくあるシチュエーション…

これが、それほど多くあったとは思えないですね。

そんなヤツを代官に任命する人事もどうかと…人事部長切腹です。
100年以上前の出来事ですから、事実はわかりません…
これまでに名刺交換させていただいた方々の中には『同心』という役職の方はいらっしゃらないですし、『悪代官』と書かれた名刺 は1枚のみ…
悪役商会の千本松様だけですが、本職は役者さんですから…プレステ2ソフト『悪代官』シリーズ主役!
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お歳暮,お年賀,山吹色のお菓子:袖の下豆知識・其の二

●江戸時代の袖の下っておいくら万円?

袖の下の相場…はっきり申し上げます。
知りません。(かざぐるまで有名なあの方なんかは知っているでしょうけど)
では、フィクションではありますが、時代劇からの分析です。

パターン1・袱紗に直接包んで贈る場合
主観ではありますが、小判の束が3個が多いかと思います。
はらりと袱紗を開けると、下に2束、その上に1束…そう、三角っぽく積みあげる感じ。
テレビの絵的にはいい感じに映るのでその様な置き方をしているのだと思います。

さて、いくらなのでしょう?・・・・

1束は50枚の小判から成っています。では、江戸時代の1両、現代における価値とは…
江戸時代と言っても、1603年に江戸幕府が開かれてから1868年の明治時代まで約250年もの間です。
その間の小判の価値も変動しましたし、小判の金の含有量も変化しました。
ですから、現代の価値に換算するのは難しいところですが、江戸中期の天下泰平の時代には1両の価値は3~5万円という説が有力な様です。(有力とは言ってもアバウトすぎですね…)
仮に、1両の現代での価値を4万円としますと…
袱紗の中の価値とは4万円×50枚×3束=600万円
 おーっ!高級官僚である代官が人の道を踏み外すにはちょっと安い気もするが、領収証を書くわけでもないから証拠も現物以外残らず、しかも、料亭での密談…もちろん、当時、写真週刊誌のパパラッチも存在しません。
こんなシークレットな状況において魔が差すには十分な金額ではないですか。

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パターン2・千両箱まるごと
千両箱が悪徳商人との密談の場である料亭なんかにお目見えするシーンはほとんど無い気もします。
時代劇では、盗人に盗まれるシーンとか、大八車に乗せられた献上の品という名目でありながら実は千両箱とか…
そういったシチュエーションで登場しがちなのが千両箱ですが、賄賂として差し出した場合、視覚効果は絶大です。
  ※以前、コラボレーションで桐箱入りをお出しした「たのみこむ」さんでレプリカ売っております。
なんたって、その名の通り千両入っているのですから…とりあえず検証です。
さて、いくらなのでしょう?
其の一と同じ換算方法でまいりましょう。
4万円×1000両=4000万円!(概算)フェラーリ買えます。マンション買えます。金にものを言わせて帯回しだってやり放題!
4000万円の裏金作れる悪徳商人!是非、お友達になりたいものです。しかし、千両箱を料亭に持っていくのも一苦労です。なんたって20キロぐらいはある重量物です。
天下泰平とは言え、治安がそれほど良くないであろう江戸時代に、しかも夜!
こんな重い物持って料亭に向かう悪徳商人は、かなりのリスクを覚悟しないといけません。
それに、お代官様がこんな重い物を手渡されても…


パターン3・『山吹色のお菓子』の菓子箱の場合
この場合は、弊社のお菓子が本当に金だったら…と、いう仮定でまいります。(強引ですが…)
弊社のお菓子は、モデルが天保五両判ですから、本物なら1枚5両分の価値があります。
山吹色の質問に玉虫色の回答」でもご案内していますが、50枚の束が9束です。

5両×50枚×9束=2250両(すごいでしょ!五両判のおかげで額面は体積の割に高い様です)
2250両×4万円=9千万円!!きゅーせんまんえん!

もう大変です。お代官様は逆に悪徳商人に媚びを売ってもおかしくない金額!
ちなみに、二重底にした場合は?(菓子箱を開けると一見モナカとか饅頭しか見えないそれです)

まあ、サクッと1/3~半分がお金だったとお考えて察してください。
でも、わざわざ二重底にする意味は疑問ではあります。夜の密談にこっそり持っていく菓子箱です。道中、誰かに蓋まで開けられて検閲されるとは考えにくいし、ぱっと見で菓子箱に入ってればそれでごまかしが利くと思うのですが…
水戸あたりから来た爺さんに「開けてみい!」と言われない限りは、露骨に現生を持ち歩いていると思われない程度のカモフラージュで十分な気がします。

それなら、二重底に何の意味が?
二重底の利用価値としては、お代官様に対して、お菓子と思わせといて実は現生!
どう?驚いた?…悪徳商人が気を利かせたサプライズ・プレゼントですか?
※ちなみに現生(ゲンナマ)の「生」は、江戸時代の上方で「生(しょう)」一文字でお金の意味がありました。
現代において現金の「金」を「生」に置き換えて訓読みしたのが「ゲンナマ」です。

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お歳暮,お年賀,山吹色のお菓子:袖の下豆知識・其の三

●現代における袖の下の実例、つまり贈収賄にからむ汚職

最初に申し上げますが、弊社は犯罪を奨励しているのではありません。
心の中で「巧い事やるなぁ~貰いたいなー」と思う袖の下ですが、犯罪はいけません。
やりとりするのは現金ではなく弊社の『山吹色のお菓子』でシャレにとどめておいて下さい。

過去のメジャーな贈収賄事件と言ってもたくさんあるようです。
某米国航空会社事件、就職紹介会社の事件、某建設大手汚職事件、と読んだところでピンときた方はニュースに詳しいと言うか、ご年輩の常識人でしょうか…
某米国航空会社事件においては、贈られたのは『山吹色のお菓子』ではなく『ピーナッツ』でした。
ちなみに、ピーナッツ1個は100万円だったとか…
千葉県産の超高級落花生の価格の話ではないです。

袖の下がビジネスの潤滑剤というのは昔も今も否定できない事実かも知れませんが、公務員なら賄賂罪、法人の社員なら背任罪でお縄にかかります。
それでも汚職が後を絶たないのは、ことわざで「商人と屏風は直ぐには立たぬ」と言われる通り、折り曲げなくては立たない屏風のように、商人も正直一方では儲けも少なく、商売が成功しないと言う事でしょうか…

ちなみに、弊社の『山吹色のお菓子』はお菓子ですから、贈るのはシャレの範疇でお願いします。
犯罪になるのでは?とご心配な方は「山吹色の質問に玉虫色の回答」をご参照ください。

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お歳暮,お年賀,山吹色のお菓子:袖の下豆知識・其の四

●袖の下の正しい渡し方とは

袖の下豆知識イメージ写真 袖の下を渡すと言う行為は、下心を伝えるという意味であってオープンで爽やかな渡し方は厳禁です。
加えて、あからさまに交換条件を突きつけてビジネスライクな渡し方もいただけません。
「これを差し上げますから、抜け荷の件については見て見ぬ振りをお願いします」などと具体的な指示は不要です。
「お代官様のお好きなお菓子でございます」とか「少々重たいお菓子にございます」と、遠回しな表現をしつつ、渡し際に目と目で合図し合う事が肝心です。上目遣いと、口元のニヤリがポイントです。
事を察したお代官様からは自然に『言わずとも解っておるぞ』といった心の言葉が聞こえてくるはずです。と、同時にお代官様口元がニヤリ…そこで決め台詞の応酬です!

袖の下豆知識イメージ写真
「お主も、なかなかの悪よのぉぉぉう…」
「いえいえ、お代官様ほどでは…」
「ふふはははは…」

このやり取りの成立こそが、商談成立と同じ意味を持つのです。
基本の台詞は以上ですが、アドリブでバリエーションが存在します。


「これでよしなに…」「例の一件をなにとぞ…」「いつも通りおはからいを一つ…」「これで、お代官様もご安泰ですな」と言った商人の台詞や、
「ちと重い菓子じゃのぉー」「いくらあっても困るものではないがのぉ」と言うお代官様の台詞です。

間違っても具体的な表現はNGです。
遠回しな表現で会話を成立させるテクニックが必要です。

袖の下豆知識イメージ写真 何年も連れ添った夫婦が、
「ちょっとお父さん、そこのあれ取ってくださいな、なにしなきゃいけないからね」
で、通じる会話とは異なりますが、阿吽の呼吸と言う意味合いでは近いものがあります。

話が逸れましたが、『山吹色のお菓子』もまた、手渡しされる場合には、このお約束を守ってお渡しいただけるとお互いの良好な関係をより好いものとなると信じております。

※希に(特にお若い方)『山吹色のお菓子』そのものの意味をご存じない場合がございます。
お渡しする方が、一方的に小芝居を始めたとしても、「何すか?チョーウケるんすけど…意味わかんねー」とお約束が成立しないばかりか、お互いが宇宙人に思えてきます。
挙げ句の果てに変な人呼ばわりされる危険がありますのでご注意ください。
くどい様ですが、弊社はこの場合、何の責任も負いかねます。
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